経済学へのあこがれ
大学は経済学部をでました。
その後、社会にでてなんやかんやあって、大学院を修了し、経済学博士をとりました。社会人大学院に通っての成果ですが、経済学博士って、世の中的には珍しいのではないでしょうか。市井の、との前置きは必要ですが、自分を経済学者と名乗ることも不可能ではないかもしれません。
ですが、自分自身を経済学の人とはあまり思っていなくて、経済学者を名乗れる人を尊敬するし、いいなあと憧れたりしています。
というのも、私自身の専門はどちらかというと経営学の範疇ですし、数学コンプレックスもありますので、最新の(特に動学マクロ経済学なんかの)数学的手法を駆使した理論構築ができる人や、その理論を使って実証できる人なんかを羨望のまなざしで見ているという現状なわけです。
もはや経済学というよりは数学に近いですからね。
もちろん、最低限のことは多分わかりますよ、たぶん。でもね。
日本経済学会に属しているのに、学会誌に書いてあることがほとんど理解できないわけです。思わず勢いでぶっちゃけてしまいました。だったら退会しろよって話ですが、上記の通り、経済学へ対するあこがれがつよいので、自分が経済学のアカデミアの一員だと思うためにずっと会員でいるのです。
ここで少し話が変わります。
私が最近読んだ星野源さんのエッセイは、星野源さんがまだ一般には広く知られていない頃に彼が書いた作品です。その頃から応援していた人からすると、今のブレイクは感慨深いものがあるのだろうなあと想像します。それは音楽シーンや芝居の世界をつぶさに見続けてきた人、さらにその中でも星野源さんという特異な才能に注目した人だけが得られる感慨なのではないでしょうか。
私も曲がりなりにも経済学の分野を興味をもって見続けていました。理論的な経済学の分野についてはあまり得意ではなかったのですが、それでも最先端の経済学の話題に触れつつ、自分のキャリアの階段を踏みしめている若者の書いていたブログを楽しみにしていた時期が昔ありました。いまやその若者は立派な経済学者として成長し、星野源さんのファンが抱いていたのと同じであろうような感慨を今私も抱いたりしているわけです。
その人は安田洋祐といいます。
NHKの経済学関係の番組なんかでも出演されたりしているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
彼がまだプリンストンの博士課程にいる頃に書いているブログを私は楽しみにしていました。わからないことが多いながらも、経済学へのあこがれというのが根底にあったから、彼の提供する世界でも最新の経済学の話題が、私にとっては刺激的だったのです。
彼はいま気鋭の経済学者として、メディアにもひっぱりだこです。
経済学へのあこがれは、こんなほっこりした感慨とともに、今も継続しています。昔は芸能人でもなければ、なかなかこうした若い芽を知る機会などなかったわけですし、それこそ芸能人であったとしても、小さな劇場に行かなければ会えないような方を知ることは難しかったわけですが、今は時代が変わっています。ブログもあるし、Youtubeもある。自分自身をマーケティングできる時代ですし、発信し続ければいつか表現が世の中に認められるチャンスもあります。
私も経済学へのあこがれを、経営学のテイストをもって自分自身の中で昇華させ、いつか表現者としてある程度の認知が得られるようになりたいなと思う今日この頃なわけです。