エッセイを読むのは心のデトックス
星野源さんを初めて認識したのは、NHKのコント番組「LIFE!」だったように記憶しています。
「LIFE!」はパイロット放送を経て、2013年に第1シーズンが始まっているので、もう4年前の話です。
で、表題の本を彼が書いたのは、2009年。つまり、いまから8年前ということになります。この頃の彼のことを私は知りません。
今回、結構この本が現在売れているというようなことを噂で聞きまして、彼への興味もある程度あったので、購入したわけです。
気軽に読めるという点ではよい本でした。個人的には作家の原田宗徳さんのエッセイに通じるようなところがあるように感じました。なんというか、何気ない日常を切り取る際の独特なシーンの選び方とか、自分をさらけ出すことへの無抵抗感というか、そんなところでの共通性を感じたように思います。
もちろん専門の文筆家ではないので突き刺さるような言葉の洪水ではないわけで、そういう点では安心して読めるとともに、彼の人柄なんかもわかって、ああ、なんとなくこんなこと考えそうな人間なんだろうなと思ってたとか、そんな読後感を得ることになりました。
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2009年の時点では、まさか、彼がここまでブレイクするとはあまり多くの人は思っていなかったのではないでしょうか。一部のマニアには受けていたようです(近くの本屋に不思議な本「蘇る変態」があったのを記憶しています)。
で何が言いたいかというと、エッセイというのは、その書いた人の個性を消費することであり、また、普段どんなに身近な人とでも共有できない頭の中を共有することができたような気にさせるものだなと改めて思ったわけです。
ブログもそういったもののひとつなのではないでしょうか。
変に情報にあふれたブログばかりではなく、芸能人ブログに各メディア力を入れるのにもそれ相応の理由があるのだと思います。
学生の頃は筒井康隆大先生のエッセイなどを読み漁ったせいで、「学生時代にマルクスかフロイトにかぶれなかったやつは馬鹿だ」などと思い込み、マルクスを図書館に求めるも、その分厚さの前に読む前から挫折したりしていたりしていたこともあって、特に若いころによむエッセイというのはその人の人生観を左右したり、あるいはその人の人生観を体現したようなエッセイをその人が読むのかもしれませんが、そういうところがあるように思うのです。
これは私自身の読み方なだけかもしれませんが、そういったエッセイは折に触れ読み返すもので、そうすることによってある種の安心感や拠り所を自分の中に発見し、自分の心のありようを整えることができていたように思うのです。
そうしたこともあって、エッセイを読むのは心のデトックスだなと思うわけです。
最近はイラストが上手な人が多いため、4コマ漫画風の日常エッセイブログなどが流行っていますが、文字のよさっていうのもあるわけで、そういった意味では最近はあまりエッセイを読んでいない自分に気づいたため、はやりの本を手に取ってみたわけです。
昔読んだエッセイも引っ張り出してみようかな!