諸々の諸事情により

日常を豊かにするちょっとしたこと。

ほかの会社がどんな事業をやろうとしているのかを知るには、求人票を見てみよう

タイトルそのまんまです。ですが、ちょっと補足で説明を書いていきます。

これはあくまで私個人の感覚なので、ほかのプロから見たら全然違うのかもしれませんが、それはそれでご容赦ください。

私自身、会社で新規事業を立ち上げるってことをよくやっているんですが、その際上層部から必ず言われるのが、「他の会社はどんな状況なんだ?」ってこと。

その先には、「だからうちの会社ではどんな差別化をするのだ?」「それで利益がどれだけでるのだ?」ということが問われるのですが、とりあえず外部環境がわからなければ、どんな勝負をかければいいのかわからないので、上記のような質問が来るわけです。ま、俗にいうベンチマーキングってやつですな。

個人的には、

「ベンチマーキング? は? なにそれおいしいの?」

って感じなのですが、それはなぜかというと、敵が既にいる時点でもうそのサービス半分くらい終わってるよ、って思うからですが、それはそれとして、まあ健全な社畜魂を発揮するためには、曲がりなりにもベンチマーキングせざるを得ないわけです。

ベンチマーキングの王道手法(と私が思っていること)

まあ、よほどのマーケティング費用がじゃぶじゃぶ流れ込むバブル状態でもない限り、どんな大企業でやるからといって、調査にそんなにお金がかけられるわけではありません。

ではどうするか?

まずはインターネット先生に聞くんですね。

正直玉石混淆の情報の中から、どんな実態を探り当てていくのか。最初は見当もつきません。

 てゆうか、新規事業を立ち上げる時って、自分のやろうとしている商品なりサービスがどのカテゴリに属するものなのか、あいまいだったりすることも多いです。したがって、まずはここのところをはっきりさせないと、そりゃあ、まあ情報整理はできません。

まあそれはさておき、何か、ここの企業は自分たちのやろうとしていることと近いことをやろうとしているぞ、とか、すでにやっているぞ、どうするんだやばいぞやばいぞ、とか、なんかニュース記事がいっぱい見つかるけど意外と情報少ないぞ、とか、なんか英語の情報しかないぞ、とか、まあ、なんか少しずつ手ごたえがでてくるわけです。

それをなんとか適当な形式でまとめて、それらしく引用をきちんと示しつつ、なんらかの示唆めいた資料を作って上層部に答申すると、じゃあもう少しお金をかけてもいいよ、となることがあります。

そうすると、次には、調査会社の出しているレポートを買ってみたり、調査会社に調査を依頼したり、もっとお金がある場合にはコンサルティング会社と契約して、調査も含めた戦略の青写真を描いてもらったり、といった活動になっていくわけです。

そこまでお金がかけられないとなった場合でも、本屋に売ってる本くらいは自分で買えるでしょ? インターネット先生だけでは得られない、それらしい根拠というのはこうして積み上げていくわけです。

で、本題

そういう新規事業の立ち上げ話はまた折を見ていろいろ書いていこうと思っているのですが、ここでは、そもそものお題に立ち返ってみます。

なぜ求人票を見るといいのか。

だいたい、新規事業を立ち上げる時って、専門のチームがいなかったりとか、専任の人がいなかったりとか、するわけです。

なぜなら、そこにお金を投下すると、決めたわけではないから。

経験則でいうと、既存事業の運営にかけている8の時間に対し、2の時間をそういった新しい価値を生む活動に使うわけです。

まあこれは個人の時間を8:2で使うこともあれば、10名のチームの中で、専任の人が2名といった体制になるということもあると思います。

まあ、この割合でもかなり恵まれたリソースの使い方だと思いますけどね。

そうこうしているうちに、はっと誰かが気づくわけです。

やべえ、勉強しても、努力しても形にならない。。。

そうだ、そういえば、だれも専門家じゃないから、この活動を誰も評価できていない。つまりは、形になっていたとしても、それで進んでいいのか、または修正が必要なのか、だれも決められないということですね。

だから、専門家を雇おう、という話がでてきます。専門家を雇って、事業企画のスピードをあげるのはもとより、そもそも活動の評価をしながら進めていくということができるようになるわけですね。

大企業の論理としては、この専門家に責任をなすりつけてしまえば、そのあと失敗しても自分たちは傷つかずにすむというメリットも垣間見えてきます。

そんな経緯で、労働市場には、専門家求む! っていう求人票がでてくることになります。

そこには、企業名が明らかにされている場合もあれば、そうでない場合もあり、また、どんなことをやるのか明示されていることもあれば、そうでない場合もあり、情報の質はその時々で全然違うのですが、普段知ることができない、他企業のリソース投入の情報を外部から知ることができるようになるわけです。

こんな情報、会社間の交流会とかやっても、教えてくれないですよね。

企業が採用ホームページに求人をわざわざ載せるような壮大な事業計画の場合には、そもそもそんなことが他社にばれても、そもそもかなりのお金をつぎ込むことに決めた戦略案件なわけですから、まあその情報を知ったところで、資本力の勝負で勝ちにいくかどうかの話であって、少なくとももうマーケターの出る幕ではないわけです。

そうではなくて、これは将来化けるかもしれないけど、よくわからないぞ、とか、小さくても勝ちを拾いたいですね、というような案件の場合には、こうした公開情報にはでてこないので、表立ってはでてこない求人票をのぞきにいくわけです。

そうすると、あの企業がこんなことをやろうとしているのか、とか、やべえ、もうリソース集めにかかっているよとか、もっと深読みすると、コールセンターの増強しているということはもうローンチ間近だよとか、そんな情報までわかるわけです。

ここまで来るとなんとなくわかりますね。

あの企業に勝つためには、こういう人を集めないとダメです、とか、もうすでに時遅しです、とか、このくらいのスピード感でやれば勝てそうです、とか、サービスをこういう形に修正するとよさそうですとか、そういった情報武装をすることができるわけです。

こういった情報は、資料に載せるのではなく、議論になったときにここぞというタイミングでささやくのが効果的ですが、なにはともあれ、自分自身がその事業の先行きを原落ち感をもってできるかどうかといったときの重要な情報ともできるわけです。

公開されていない情報をどうやって入手するのか

 ぐだぐだと述べてきましたが、基本的にこうした情報は公開されていないわけで、そういう意味ではどうやって求人票を見るんだよゴルアっていう声が聞こえてきそうです。

もうわかっている人もいると思いますが、転職サイトに登録しておけば、そういう情報が流れてきます。求人票という形で流れてくることもあれば、エージェントと面談する中で教えてもらえたりもします。

自分にその気がなくても、転職サイトに登録しておくことは基本的にはタダですし、自分自身の労働市場での価値を確認するためにもオススメですよ。

私自身もいろんなエージェントとお付き合いがあるのですが、大手どころは一通り抑えておくのがよいでしょう。

以下がオススメサイトです。

www.r-agent.com

doda.jp

www.jac-recruitment.jp

こうした情報をもとに事業立ち上げが成功した暁には、その実績を引っ提げてほかの企業に移ってみるというのも、キャリア戦略のひとつとしてアリですね。

なんか最後、ちょっと別の話題になってしまいましたが、ま、多様な選択肢を持っておくというのは精神衛生上もよいことだと思います。